
世界有数の大河アムール川の上流支流であるビキン川流域には、針葉樹と広葉樹が入り混じる原生の森・タイガが広がっています。
アムールトラを頂点とする豊かな生態系を育むこの森が今日まで残されてきたのは、ウデヘをはじめとする先住少数民族が狩猟採集生活を営みながら動物や植物と共生し、大規模な森林伐採から守ってきたからです。
日本から約2時間でハバロフスクやウラジオストクに飛び、そこから5時間ほど(悪路を思い切り飛ばして!)車で行けば、すでにタイガの原生林の中です。
また、タイガは距離が近いだけではありません。ビキン川からアムール川へ、そしてアムール川はオホーツク海に流れ、タイガの栄養はオホーツク海や三陸沖の漁場を豊かにしてくれています。タイガは、私たちの暮らしとつながっているのです。
この映画の撮影クルーは、2010年春から2011年夏にかけて6回の現地ロケを敢行し、移りゆくタイガの四季の中で、希少なアムールトラをはじめとする動物達の姿、タイガに生きる猟師達や村の人々の生活をカメラに捉えました。彼らとともに森を歩き、川を移動しながら、彼らの生き方や自然観から学ぶべきヒントを探りました。
ロケの合間の帰国中に東日本大震災とそれに伴う原発事故を経験したことで、「本当の豊かさとは何か」という、元来映画の根幹のテーマでもあった問いが、さらに切迫したものとなりました。
タイガは、世界の多くの関心が寄せられるのを待っています。いつでも森林伐採をはじめとする開発のリスクと隣り合わせだからです。
「タイガからのメッセージ」が世界中の多くの人々に届き、この混迷の時代から未来を切り開いていく何らかの手がかりになることを願ってやみません。
2018年7月2日に行われたバーレーン世界遺産委員会において、新たに「ビキン国立公園」が世界遺産に加えられました。
2001年に世界自然遺産に登録された「中央シホテアリン」の40万ヘクタールに”拡張登録”される形で「ビキン川渓谷流域」の116万ヘクタールが新たに自然遺産として認められたのです。『タイガからのメッセージ』の舞台となったこのビキン川流域が、2015年指定の「国立公園」ステータスから今回の世界自然遺産へとステップアップしたことは、その豊かな自然が守られるだけでなく、先住民の人々がより良い生活を送るのに当たって非常に意義のあることだと思います。また、ここに関わってきた多くの人々の想いが実を結んだのだと思うと感無量です。ビキン川渓谷流域とそこに住む人々や動物たちが末長く守られていくことを願っています。
DVD:本編81分(特典映像および冊子付き)
言語: 日本語・英語・ロシア語(3カ国語バージョン)
【個人鑑賞用価格】
定価 3,800円 (税別・送料別)
個人で視聴になる場合の価格になります。
※知人等に貸し出す場合や、非営利目的・無料上映会などを行うには図書館価格でご購入頂く必要がございます。
【図書館等、教育目的用価格】
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地球・人間環境フォーラム 内
監督・脚本・製作総指揮: | 三上雄己 |
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共同監督・撮影・編集: | 木村輝一郎 |
アニメーション: | 池山正倫 |
音楽: | 加納沖(OKI) |
ナレーション: | 野中ともよ |
総合コーディネーション: | 野口栄一郎 |
製作: | 奥山秀朗 瀧澤信 坂本有希 野口栄一郎 |
コンセプト: | タイガの森フォーラム |
協力: | サステイナブル・インベスター 地球・人間環境フォーラム FoE Japan パタゴニア日本支社 RICOH 先住少数民族組合「ティーグル」 RAIPON |
©2012 タイガからのメッセージ製作実行委員会